「土方さん!」
「くっ……」
総司の腕の中の土方さんは、必死に痛みを噛み殺しているように見える。
「大丈夫だ……そのうち、おさまる……」
その言葉とは逆に、土方さんの呼吸が荒くなっていく。
その手から力が抜け、短刀から滑り落ちた。
「ダメです、やっぱり」
あたしはいても立ってもいられず、短刀を手の内側にあてた。
すっと引き、血が溢れると、それを土方さんの口元に持っていく。
「いらねえ、つってんだろ……」
顔を背けて拒否する土方さん。
「いいから早く飲んでください!もったいないでしょ!」
「土方さん、楓が痛い思いをして血を流してるんです。どうか、少しでも含んでください」
総司が頼むと、土方さんはひとつ舌打ちをした。
そして覚悟したように、形の良い唇をあたしの傷口に触れさせ、軽くなぞる。
やがて喉がこくりと鳴ると、土方さんの呼吸がだんだんと落ち着いてきた。
「効いた……」
ほっとすると、肩から力が抜けていった。けれど。



