「……白河は苦戦してるらしい」
「そう、ですか……」
先月出陣したという斉藤先生が帰ってこられないことからして、それは用意に想像がつく。
数では同盟軍が優位なはずだけど、新政府軍は勢いと新式の武器があるからなあ……。
「それと、今届いた情報だが……」
土方さんは座りながら、渋い顔をして腕を組む。
「17日に、上野の彰義隊が、全滅したらしい」
「彰義隊……」
って言うと、慶喜公が引きこもっていた寛永寺のある上野を守ろうとしていた、旧幕府側の軍隊だったよね?
慶喜公は水戸に移動してしまったと聞いたけど、彼らは上野に残っていたんだ。
全滅した彰義隊の事を思うと、胸が痛くなる。
うつむきそうになると、その前に土方さんが静かに口を開いた。
「それに、左之が加わってたらしくてな」
え……!?
「左之さんが?本当なんですか?」
総司が身を乗り出す。
「一人、宝蔵院流の槍使いが居たそうだ。
松山のなまりがあって、自分で新撰組の原田だと名乗っていたらしい」



