幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「……白河は苦戦してるらしい」

「そう、ですか……」


先月出陣したという斉藤先生が帰ってこられないことからして、それは用意に想像がつく。


数では同盟軍が優位なはずだけど、新政府軍は勢いと新式の武器があるからなあ……。


「それと、今届いた情報だが……」


土方さんは座りながら、渋い顔をして腕を組む。


「17日に、上野の彰義隊が、全滅したらしい」

「彰義隊……」


って言うと、慶喜公が引きこもっていた寛永寺のある上野を守ろうとしていた、旧幕府側の軍隊だったよね?


慶喜公は水戸に移動してしまったと聞いたけど、彼らは上野に残っていたんだ。


全滅した彰義隊の事を思うと、胸が痛くなる。


うつむきそうになると、その前に土方さんが静かに口を開いた。


「それに、左之が加わってたらしくてな」


え……!?


「左之さんが?本当なんですか?」


総司が身を乗り出す。


「一人、宝蔵院流の槍使いが居たそうだ。
松山のなまりがあって、自分で新撰組の原田だと名乗っていたらしい」