狐のままの平助くんが胸に飛び込んでくる。
か、可愛い……。
思わずぎゅっとしかけたところを、総司が首根っこをつかんで引きはがした。
「病人だから、湯治して当たり前だろ?」
「うっわ、こいつサイテー。俺と一は、白河で大変な思いしてるってのにさ!」
平助くんは斉藤先生と一緒に白河に出陣し、新政府軍と一進一退の攻防を繰り返している。
新撰組と会津の軍は、一度は白河城を落としたものの、また新政府軍に奪還されてしまっていたのだった。
総司が手を離すと、平助くんはあたしの膝に乗る。
「土方さんの文で、例の呪符の事を知ってさ。
一はなかなかこっちまで来られないから、俺が来たんだよ。楓、呪符を持ってる?」
「あ、うん」
あたしは持ってきた風呂敷から呪符を取りだした。
「よし、早速一に見てもらうよ。何かわかったらすぐ知らせに来るね」
平助くんはそう言うと、慌ただしく姿を消してしまった。



