「人が来るかもしれないでしょ。ほら、髪拭いて」
あたしは洗ってあげた総司の髪を、乱暴に頭を抱えて手ぬぐいでゴシゴシこすってやった。
「わかったわかった。自分でやる」
総司はくすくす笑いながら、手ぬぐいを受け取った。
もう……からかったな。
着替えを済ませて髪を結い直し、客室でお茶を飲んでいると、土方さんがお寺から戻ってきた。
「どうだった?なかなかいい湯だっただろ?」
「はい!ありがとうございました!」
ふっと微笑む土方さん。
京では鬼のような彼だったけど、鳥羽伏見以来、こういう人間らしい顔もときどき見せるようになった。
こういうところ、総司に似てるなあ。
さすが、小さい頃から影響を与えてきただけある。
そんなふうに思っていると、着物を着た土方さんの肩から、小さな狐がぴょこんと飛び出した。
「あっ、平助くん!」
「なんだよ二人とも温泉満喫しましたって顔して。ずっるいなー」



