総司は、すぐに返事はしなかった。
局長を置いていくことに、迷いがあるんだろう。
「総司」
考え込んでいる横顔に話しかける。
「総司は、どうしたいの……?」
「ああ?」
「どうするべきか、を考えているんでしょう?
そうじゃなくて、自分はどうしたいの?」
局長の護衛を続けるのか、伏見に戻ってもののけたちを率いて戦に加担するのか。
「……俺は……」
総司はあたしでも銀月さんでもなく、真っ直ぐ前を見て、はっきりと言った。
「伏見に戻る」
それは、近くで守るよりも、局長や仲間たち、そして新撰組のために、戦う道を選ぶということ。
より過酷な道だ。
「よくぞ言ってくださいました。では、さっそく伏見に向かいましょう。我らの力を使えば、人間の足や馬より、早く着きます」
銀月さんは、少し興奮しているようで、いつもより早口でまくし立てる。
先代頭領の血を引く総司が、いよいよ戦で自分たちを指揮することに期待しているからだろうか。
「ああ、近藤先生に挨拶を済ませてくる。……そして、その前に」
総司はそっと、あたしの肩を持って向かい合わせる。



