幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



ここのところ体調が悪かったせいか、全体的に少し痩せてしまったような気がする。


「今のままじゃ、局長を守れないよ。だから……」


最後まで言い切る前に、ふすまの向こうから声をかけられた。


「沖田総司殿、いらっしゃいますか。銀月でございます」


銀月さんだ。彼は今、総司の代わりに大阪城にいる上様の護衛をしているはず。

もしかして、上様に、何かあったんだろうか。


「入れ」


総司はあたしの手をやんわりと離し、銀月さんを迎え入れた。


「何かあったのか」


向かい合って座ると、銀月さんはゆっくりと口を開いた。


「……とうとう戦が起こります。京にいる薩摩藩士を討つため、旧幕府軍はすでに伏見へと向かった様子」

「なに?」


伏見で、戦が起きることが確定したんだ……。


「上様だけでは、幕府の強硬派を抑えることができず……明後日には、両軍は衝突するでしょう」


そんな、急に。

そりゃあ前々から、もうすぐ戦が起きるとは言われていたから、旧幕府軍だって多少の用意はしてきただろうけど。


「上様から、もののけの軍隊も伏見に集結しろとのご命令です。
指揮は、総司殿に任せると」

「……だけど」

「近藤殿は、ここにいればひとまず安全かと」