幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「ウソだ!」


あたしは局長の胸に手を当てた。


そこからは、もうなんの振動もしない。


同じように脈を計っても、口元に手を当てても、何の反応もなかった。


嘘だ……局長が、死んでしまっただなんて……。


「せん、せい……」


総司ががくりとその場に膝をつく。


その瞬間、悲鳴が耳をつんざいた。


「きゃあああ!」

「人斬りだぁぁっ!」


気づけば、周りの景色が結界を張られる前のものに戻っていた。


見物人たちが倒れた加納たちの遺体や、朧の姿を指さして声を上げる。


すると控えていた敵の兵が、銃を持ってこちらに走ってきた。


「ダメだ総司、逃げよう」


平助くんが局長の遺体をそっと地上に横たえる。


「嫌だ!近藤先生と、一緒に帰るんだ!」


総司が怒鳴ると、こちらに銃弾が撃ち込まれた。


気づけば、銃を持った敵に囲まれていた。


「しょうがない……行くよ、銀月、楓!」