幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



その瞬間、呪符は銀月さんの顔をかすめ、光の玉に向かっていき……。

それが放つまぶしい光に飲まれた。


──バシュゥッ!!


鉄砲でも大砲でもない、聞き覚えのない音が響いた。


何が起こったか、わからない。


呆然と立ち尽くしていると、空は布を引き裂くように、どんどん浅葱色に戻っていく。


「結界が……」


結界が解けていく……。


「俺の使命は果たした。あとは好きにしろ」

『待て!』


着地した銀月さんが攻撃しようとしたけれど、朧は煙幕を投げて一瞬で姿を消してしまった。


『おのれ……忍風情が!』


銀月さんが怒鳴っている間に、浅葱色の空を見上げて光の玉を探す。


あの光……局長の魂は、どこにいってしまったの?


どんなに探しても、空には太陽が光っているだけ。


他のものは見えない。


「近藤さん?近藤さん!」


平助くんの声が聞こえ、全員がそちらに向かう。


総司も咳き込みながら、なんとか局長の元へ寄った。


「さっきまで温かかったのに……!」


平助くんの声が悲痛に歪む。