幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「総司……」


とにかく座らせようと肩に手をかけると、総司は首を振って抵抗した。


「がうっ、うううっ」

「大丈夫、みんながいるから大丈夫だよ」


なおも暴れようとする総司を押さえながら、護符を取りだす。

その間に、局長が朧に斬りかかっていた。


力強い斬撃が朧を襲う。


けれど、相手は身軽な忍。何度足元に剣を振り下ろされても、跳んでそれを避ける。


その背後に、平助くんが回った。


人間の姿に戻った平助くんが、刀を構えて横に凪ぐ。


「もらったあ!」


完全に朧を捕えたと思ったその剣は、なぜか空を切ってしまう。


目をぱちくりする平助くんの目の前から朧は消え、その背後に回り込んでいた。


「藤堂殿!」


銀月さんが朧の脇に突っ込む。


その人間離れした速さに、朧は横に吹っ飛ばされた。


「総司、みんながいるから大丈夫だよ。人間に戻って」


護符を総司の額に貼りつけ、手を握って霊力を流し込むように集中する。


すると、総司の耳や尻尾が次第に消えていった。