「まさか!なんで?」
平助くんの声が聞こえる。
目の前にふさりとしたしっぽまで現れて、やっと総司が狼化してしまったことに気づいた。
でも、月もないのに、どうやって?
「人狼か……!初めて見た」
朧はまた感心したように言うと、小銃をかまえなおした。
それが火を噴くより先に、総司は朧に突っ込んでいく。
朧が放った弾丸をよけ、総司は爪を振り上げた。
「がううっ!」
振り下ろす。避けられる。引き金が引かれる。
連続で放たれた弾丸を、右へ左へ、そして宙を翻って避けた。
「楓様、お怪我は」
いつの間にか隣にいた銀月さんに話しかけられる。
総司と朧に目を奪われている間に、加納は力尽きたみたいだ。
「こっちも一応片付いたよ」
平助くんも近くに寄ってくる。
少しだけ振り返ると、敵は氷漬けになって動かなくなっていた。
「どうして総司は狼化してしまったんだ?月を見ていないのに……」
近藤局長も寄ってきて、銀月さんに問う。



