幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「まさか!なんで?」


平助くんの声が聞こえる。


目の前にふさりとしたしっぽまで現れて、やっと総司が狼化してしまったことに気づいた。


でも、月もないのに、どうやって?


「人狼か……!初めて見た」


朧はまた感心したように言うと、小銃をかまえなおした。

それが火を噴くより先に、総司は朧に突っ込んでいく。

朧が放った弾丸をよけ、総司は爪を振り上げた。


「がううっ!」


振り下ろす。避けられる。引き金が引かれる。


連続で放たれた弾丸を、右へ左へ、そして宙を翻って避けた。


「楓様、お怪我は」


いつの間にか隣にいた銀月さんに話しかけられる。


総司と朧に目を奪われている間に、加納は力尽きたみたいだ。


「こっちも一応片付いたよ」


平助くんも近くに寄ってくる。

少しだけ振り返ると、敵は氷漬けになって動かなくなっていた。


「どうして総司は狼化してしまったんだ?月を見ていないのに……」


近藤局長も寄ってきて、銀月さんに問う。