幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



霧を避けて、平助くんは敵の背後に回る。

そして、今度は頭の上から冷気を吹きかけた。


「うっ」


どうやら目やまつげの周りを凍らせることに成功したみたい。

敵の動きが一旦止まる。


「あーそうだよ、俺は御陵衛士だけじゃなく、新撰組にとっても裏切り者だよ!
だからこそ、再び受け入れてくれた人たちのために、役目を果たさなきゃならないんだ!」


平助くんの体が白く光り、上空へと昇っていく。

その光はまぶしく、敵が目を開けられないうちに、豪快な吹雪へと変わった。


「凍れえええええっ!」


平助くんの声が結界中に響き渡ると、吹雪は敵の周りに収束する。

びゅうびゅうと音が鳴り、吹雪のなかは白くて敵の姿が見えないほどだ。


「おのれ……裏切り者が!」


加納がその様子を見て、忌々しげに怒鳴る。

そして総司から離れ、上空の平助くんに向かい、霧を吐き出そうと息を吸う。


「させるかっ!」


そんな加納を総司が放っておくわけがなく、彼は刀を手に走り、敵の尾っぽの上からそれを振り上げた。

しかし。