「運が悪かったな。お前たちは、ここから出ることはできまい」
忍もその手に短刀を持つ。
そうやってにらみあっている間に、結界の中が夜のように暗く染まっていく。
その闇に飲まれて、見物人も太刀取も見えなくなっていった。
「普通の人間に見られては、こっちも都合が悪い」
あっという間に結界の中には、あたしたちと忍しかいなくなる。
「こっちにとっても好都合じゃん!」
こうなれば、敵は一人だけ。
と思ったら、彼の後ろから二人の人影が。
「あっ、お前たちは!」
何の前触れもなく現れたのは、どこかで見覚えのある男たちだった。
平助くんがさっと顔色を変える。
「御陵衛士の残党だな。お前たちが、近藤先生の正体を見破ったってわけか」
「あー!本当だ!」
そうだ、見覚えがあると思えば、こいつら、油小路事件のときに逃げた、御陵衛士の残党だ。
「墨染で先生を狙撃したのも、お前たちか」
総司の声から殺気が立ち昇る。



