けれど、その瞬間、足元がぐにゃりと歪んだ。
「えっ?」
「なんだ、これ……」
どうやら、揺れを感じたのはあたしだけじゃないみたい。
歩みを妨げられたあたしたちは、その場で立ち止まってしまった。
「結界です!早く、外へ!」
銀月さんの大声でハッとする。
大地が揺れているんじゃない。
誰かがこの辺り一帯に大きな結界を張ろうとしているんだ。
そのせいで、空間が揺れている。
慌てて走るも、透明な見えない壁にぶち当たってしまった。
「くそっ、なんなんだよこれ!」
もう少しで逃げられるところだったのに。
平助くんが悔しそうに声を上げる。
結界を張れるなんて、ただの人間の仕業じゃない。
「お前たちは……もしや、一昨日会ったか?」
後ろから声がして、振り向く。
そこには、宇都宮城攻防戦で、副長の足を撃った岡崎一族の忍が立っていた。
口元を隠しているけれど、そのくぐもった声には聞き覚えがある。
「お前がこの結界を?」
結界も呪術も、術者を殺せばその効力はなくなる。
総司は忍に向かい、剣を構えた。



