幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「曲者だ!であえ、であえーっ」


刑場の警備をしていた兵たちが、槍を持ってあたしたちを囲もうとする。


「邪魔だ、どけ!」


総司は怒鳴ると、あっという間に相手の間合いに入り、槍を持った手首を切り落とす。


それを合図にしたように、銀月さんが両手で突き出された二本の槍をつかんで脇に抱えると、そのまま腕の力だけで槍をぼきりと折ってしまった。


平助くんは白い狐となって局長のもとに飛んでいき、その縄を噛み切った。


「てやあっ!」


慌てて近藤局長に刃を向けた太刀取の腕に、苦無を投げる。

それは手首に当たり、刀が土煙を上げながら地上に落ちた。


「なんだありゃあ!近藤の仲間か?」


たくさん集まっていた見物人が、がやがやと騒ぎ出す。

総司と銀月さんは、あっという間に槍兵たちを戦闘不能にした。


「平助っ、今のうちに行くぞ!」

「うん!」


無駄な戦闘は不要とばかりに、総司は新たな兵が向かってこないうちに退却しようとする。


あたしと平助くんは局長を支え、さっききた林の方へ歩き出した。