「曲者だ!であえ、であえーっ」
刑場の警備をしていた兵たちが、槍を持ってあたしたちを囲もうとする。
「邪魔だ、どけ!」
総司は怒鳴ると、あっという間に相手の間合いに入り、槍を持った手首を切り落とす。
それを合図にしたように、銀月さんが両手で突き出された二本の槍をつかんで脇に抱えると、そのまま腕の力だけで槍をぼきりと折ってしまった。
平助くんは白い狐となって局長のもとに飛んでいき、その縄を噛み切った。
「てやあっ!」
慌てて近藤局長に刃を向けた太刀取の腕に、苦無を投げる。
それは手首に当たり、刀が土煙を上げながら地上に落ちた。
「なんだありゃあ!近藤の仲間か?」
たくさん集まっていた見物人が、がやがやと騒ぎ出す。
総司と銀月さんは、あっという間に槍兵たちを戦闘不能にした。
「平助っ、今のうちに行くぞ!」
「うん!」
無駄な戦闘は不要とばかりに、総司は新たな兵が向かってこないうちに退却しようとする。
あたしと平助くんは局長を支え、さっききた林の方へ歩き出した。



