「局長……!」
水が入った桶を持った太刀取が二人、局長の後ろに立つ。
むしろの上に座った局長の前で、罪状が読み上げられる。
「右の者、元来浮浪の者にて……はじめ在京新撰組の頭を勤め……」
つまり、京で尊攘派を大勢斬って、甲州などで官軍に歯向かったことで死刑と、そういうことらしい。
「平助、あの柵を破壊してくれ。そうしたら俺が、近藤先生を救出する」
「わかった」
総司は刀を抜き、林から出て行こうと歩く。
「あたしは?総司」
「援護を頼む。けれど、無理はするな」
「私もお供いたします」
あたしと銀月さんも、総司の後ろに続く。
罪状の読み上げが終わったら、すぐに斬首だろう。
のんびりしている暇はない。
「やあっ!」
人の姿になった平助くんが、刀を抜き、上下左右に振り回す。
見張りの兵が何事かと向かってくる間に、柵を破壊したあたしたちは、刑場の中へと踏み込んだ。
「総司、平助!お前たち……」
近藤局長はあたしたちに気づくと、目をまん丸くして口をぱくぱくさせた。



