幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「局長……!」


水が入った桶を持った太刀取が二人、局長の後ろに立つ。

むしろの上に座った局長の前で、罪状が読み上げられる。


「右の者、元来浮浪の者にて……はじめ在京新撰組の頭を勤め……」


つまり、京で尊攘派を大勢斬って、甲州などで官軍に歯向かったことで死刑と、そういうことらしい。


「平助、あの柵を破壊してくれ。そうしたら俺が、近藤先生を救出する」

「わかった」


総司は刀を抜き、林から出て行こうと歩く。


「あたしは?総司」

「援護を頼む。けれど、無理はするな」

「私もお供いたします」


あたしと銀月さんも、総司の後ろに続く。


罪状の読み上げが終わったら、すぐに斬首だろう。

のんびりしている暇はない。


「やあっ!」


人の姿になった平助くんが、刀を抜き、上下左右に振り回す。


見張りの兵が何事かと向かってくる間に、柵を破壊したあたしたちは、刑場の中へと踏み込んだ。


「総司、平助!お前たち……」


近藤局長はあたしたちに気づくと、目をまん丸くして口をぱくぱくさせた。