銀月さんの言う通り、風を操るイタチのもののけに協力してもらい、追い風に乗ったあたしたちは、急いで板橋へと向かった。
振り落とされないようにしがみついている間に、まだ少し赤かった空はあっと言う間に暗くなり、そして気づけば東から太陽が昇り始めていた。
夜明けの紫色の空が浅葱色に変わってきたとき、ある林の中で銀月さんの足が止まった。
「着きました。お体は大丈夫ですか?」
あたしたちは銀月さんの背中から降りる。
一晩中座っていたせいか、足元がふらふらとした。
総司はもっと辛そうで、少し咳き込んでから呼吸をすると、喉からひゅうひゅうと乾いた音が漏れる。
けれど、総司は息を整えて前を向いた。
「大事ない。近藤先生はどこだ?」
「頭領、あちらを」
人間の姿に変身した銀月さんが指をさす。
そこには、罪人が座らされるようなむしろが引いてあり、その周りには見物人が入って来られないように、竹を交互に組んで作った柵が立てられていた。
ちょうどそこへ、体を縄で縛られた近藤局長が連れてこられた。



