幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「まったく……。私だけでは無理です。途中で風を操るもののけの力を貸してもらいましょう。
それでなんとか間に合うかどうかですよ」


「かまわない」


総司がそう言うと、銀月さんは狼の姿に変身する。


「待てっ、お前ら」


振り返ると、副長が刀を杖にして無理にその場に立っていた。

怒ったような顔で、あたしたちをにらみつける。


「絶対に全員で帰って来い。誰一人死ぬんじゃねえぞ。副長命令だ!」


ぶっきらぼうにそう怒鳴りつけると、ふんとそっぽを向き、また座り込んでしまった。


「行ってきます、副長」


勝手なことばかりするあたしたちを、いつも心配してくれてありがとう。


本当は、怪我さえしていなければ、自分が飛んでいきたいだろうに……。


「さっさと行っちまえ」


総司が寂しそうな副長の後姿に一礼する。


そしてすぐ、全員で銀月さんの背中に飛び乗った。


どうか、間に合って……!