「まったく……。私だけでは無理です。途中で風を操るもののけの力を貸してもらいましょう。
それでなんとか間に合うかどうかですよ」
「かまわない」
総司がそう言うと、銀月さんは狼の姿に変身する。
「待てっ、お前ら」
振り返ると、副長が刀を杖にして無理にその場に立っていた。
怒ったような顔で、あたしたちをにらみつける。
「絶対に全員で帰って来い。誰一人死ぬんじゃねえぞ。副長命令だ!」
ぶっきらぼうにそう怒鳴りつけると、ふんとそっぽを向き、また座り込んでしまった。
「行ってきます、副長」
勝手なことばかりするあたしたちを、いつも心配してくれてありがとう。
本当は、怪我さえしていなければ、自分が飛んでいきたいだろうに……。
「さっさと行っちまえ」
総司が寂しそうな副長の後姿に一礼する。
そしてすぐ、全員で銀月さんの背中に飛び乗った。
どうか、間に合って……!



