「これから何があっても……困ったときはいつでも、連絡してくれ」
「はい」
うなずくと、松本先生は目じりを少しだけ下げて、あたしの頭をくしゃりとなでた。
「沖田君、娘をよろしく頼むよ。
近藤さんも大事だが、嫁にした以上、楓をきっと幸せにしてやってくれ」
「……はい」
総司は松本先生を真っ直ぐに見返し、うなずく。
その目に迷いはないようで、少しだけ嬉しくなる。
大丈夫だよね。
きっと、またみんなでそろって、笑いあって過ごせる日が来るよね。
あたしはそっと胸を押さえた。
襟の間にあるのは、総司にもらったあの櫛だった。



