幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「これから何があっても……困ったときはいつでも、連絡してくれ」

「はい」


うなずくと、松本先生は目じりを少しだけ下げて、あたしの頭をくしゃりとなでた。


「沖田君、娘をよろしく頼むよ。
近藤さんも大事だが、嫁にした以上、楓をきっと幸せにしてやってくれ」


「……はい」


総司は松本先生を真っ直ぐに見返し、うなずく。


その目に迷いはないようで、少しだけ嬉しくなる。


大丈夫だよね。

きっと、またみんなでそろって、笑いあって過ごせる日が来るよね。


あたしはそっと胸を押さえた。


襟の間にあるのは、総司にもらったあの櫛だった。