「……私の足では無理です。それに、頭領の体に負担がかかる」
「俺の体の負担なんて、どうでもいい。近藤先生が死んでしまったら、俺も死んだも同然だ。
どうせ死ぬのならば、近藤先生を守って死なせてくれ」
「できませぬ。あなたは貴重なもののけの血を受け継ぐお方」
「またそれかよ!」
困った顔をしながらも淡々と答える銀月さんに、総司が食ってかかる。
「じゃあ、近藤先生を助けられたら、完全なもののけでも、本当の頭領にでも、何にでもなってやる。
それなら力を貸してくれるか?」
「頭領……」
「近藤先生を見捨てるというのなら、この命、人間の体の寿命と共に捨ててやる。けれど、助けてくれるなら……」
「もういい、やめろ!」
必死に懇願する総司を、副長の声が止めた。
振り返り、副長をにらみつける総司の切れ長の目が、泣きそうに見えるのはあたしだけ?
「やめろ。本当はもののけになんかなりたくねえんだろ?」
副長は総司をまっすぐに見つめた。



