「……明日、板橋刑場で、斬首されるそうです」
銀月さんの声が、あたしたちの間に落ちた。
まるで、雷みたいに。
「斬首……」
何も考えられなくなり、指先が震えた。
局長が、殺されてしまうなんて……。
「ウソだろ……しかも明日かよ」
平助くんが全身の毛を逆立ててうなる。
副長は深いため息をつき、座ったまま前髪をくしゃりと握りつぶした。
あまりのことに、声も出ないみたい。
「副長……」
総司の死を覚悟したとき、副長はまだ希望を持っていた。
あたしたちはただ、局長や総司を信じて前を向いていよう。
そう言って、励ましてくれたのに。
あたしたちの希望が、ひとつなくなろうとしている。
「土方さん、俺が板橋に行きます」
うなだれていたみんなが、ハッと顔を上げた。
「銀月、頼む。力を貸してくれ」
強く前を向いていた総司が、銀月さんに向かって頭を下げる。
でも、今は宇都宮から会津に向かっている途中。
銀月さんがどんなに急いでも、明日までに板橋に着くのは無理じゃないだろうか。



