「くっ……」
右手に銃を、左手に刀を持っていた副長が、思わず膝をつく。
その顔が、苦痛にゆがんでいた。
「貴様ぁぁぁっ!!」
総司の怒号が空気を揺らす。
力任せにぶんと刀を凪ぐが、忍は軽やかに宙を舞い、それを避けた。
「待て!」
目をつりあげて叫ぶ総司。
その周りを囲うように、もののけたちが集まってきていた。
平助くんも同じように取り囲まれ、身動きが取れない状態に。
「土方歳三、覚悟!」
二人の隙をつき、忍が副長目がけて走り出す。
「ダメええっ!」
あたしは目の前を通り過ぎていく忍の腰に、夢中でしがみついた。
動きが遅くなった彼の腕に噛みつき、片手で苦無を取り出し、脇腹を狙う。けれど。
「邪魔だ!」
高速で放たれた忍の拳が、お腹にめり込んだ。
「くう……っ」
痛みと吐き気に襲われ、動けなくなる。
手を離した途端、忍は副長に向かって、何かを投げつけた。
黒くて薄っぺらい……あれは、呪術に使う呪符?
副長は刀を持ち、それを斬ろうとした。



