射撃は再開され、弱った敵は次々に倒れていった。
弾幕から逃れるためにその場から離れたあたしたちは、忍のもとに向かう。
「お前には色々と聞きたいことがある」
総司が刀を構えると、忍は首を横にふった。
「悪いが、何も話すことはない」
そう言うと、懐に手を入れた。
取りだされたのは、片手で持てるほどの小さな小銃。
「ちっ!」
総司はその手首ごと切って落とそうとしたのか、片手で忍に切っ先を突き出す。
しかしその速さ以上の俊敏さで、忍は刃を避け、引き金を引いた。
とっさに総司があたしの体を突き飛ばす。
けれど、標的はあたしじゃなかった。
なんとか転ばずに体勢を立て直そうとした視界の端に、赤い虫が飛んだのが見えた。
「土方さん!」
総司の声でハッとする。
赤い虫だと思ったのは、血液だったんだ。
それは、最前線にいた副長のつま先から飛んだみたいだった。
「副長……?」
副長の長靴の先がやぶれ、そこから地が赤黒く染まっていく。



