幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



昨日や今日同化したならともかく、新撰組が京にいた時期から、敵側のもののけとの同化は進んでいたはず。

長いこと人の姿からもののけの姿になることを繰り返していれば、それだけ命が削られる……。


「ひでえな。こいつらは岡崎一族の操り人形にされたってことか」


平助くんがまだ向かってくる敵の笠を咥えて跳ぶ。

あたしは慌てて苦無で敵の足を止め、後頭部の呪符をはがした。


「人聞きが悪い。我らは薩長に請われた通りに力を貸してやっただけのこと」


悪びれず、忍は言い放つ。


「こいつらも限界が近づいてるってことか……」


総司が少し同情するように、敵を見渡した。


「よし、お前たちは後退しろ。あとは人間だけでもなんとかなるはずだ」


副長は刀を持ったまま、待機していた味方に叫ぶ。


「大丈夫だ!俺たちは勝てる!撃て!」

「お……おう!」


まるで夢をみていたような顔をしていた味方たちは、副長の怒鳴り声でやっと起きたみたい。