幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「う……うう……」

「えっ?」

「あああ……」


しゃがみこんでしまったかと思うと、敵は頭を両手で抑えたまま、地面に伏してしまった。

その手の甲から、鱗が消えていく。


「どうして?」


注意しながら近づくと、その敵がもう息をしていないことがわかった。


「死んでる……いったい、どうして?何もしていないのに……」


顔を上げると、あちこちで敵兵がひとり、またひとりと倒れていく。


「ちっ、役立たずが。もう少しもつと思ったがな」


忍が倒れた兵を見て吐き捨てるように言った。

ちっとも意外そうじゃない態度で。


「まさか……無理な呪術をかけたせいで、彼らの体に負担がかかったの?」


総司の狼化と同じなんだろうか。

この人たちは、もともとただの人間だった。

無事にもののけと同化したといっても、その力を無理やりに引き出して使うようなことをすれば、体に負担がかかって当然だ。