「お前らの顔を見ると、嫌なことを思い出すんだよ!全員くたばりやがれ!」
副長の叫び声が聞こえると、目の前を疾風が駆け抜けていった。
彼を取り囲むように出現した風の刃に巻き込まれ、敵たちが傷だらけになって倒れていく。
たしかに、魚のような彼らの顔は、無理にもののけの死肉を食べさせられた山南先生を思い出させた。
「総司!てめえは人狼の力を使うんじゃねえぞ!」
「俺は日が沈まないと、変身できませんよ!」
真昼間の浅葱色の空を見上げ、総司は刀を構える。
そして副長に言われた通り、向かってくる敵を刀の力だけではじき返し、次々に斬り捨てた。
それにしても、数が多い。
味方もあたしたちに当たったらいけないと思うのか、なかなか援護射撃ができないでいるみたい。
「何してやがる!忍を狙え!」
副長が後ろの味方に叫ぶ。
その瞬間、あたしの目の前にいた敵が、急に自分の頭を押さえてうめきだした。



