幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「あっ、あれは!」


くるりと回転して倒れた敵の後頭部に、あるものが見えた。

それは呪文が書いてある呪符のようなもの。

きっとあれでもののけの力を引き出し、忍の言うことを忠実に聞くように術がかけられているんだ。


「術者を殺さなくても、あの呪符を取れば……!」

「日没まではもののけの力を封じることができる、か」


副長は刀を抜き、敵の笠を狙って次々になぎ払った。


「ちっ。たった4人だ。さっさと片付けろ!」


忍に命じられ、敵があたしたちを取り囲もうとする。

後列の敵からは銃弾が撃ち込まれ、あたしたちはそれを避けながら敵の刃に向かった。


「てやっ!」


苦無を敵の頭に向かって投げつける。

けれど、振り下ろされた剣に撃ち落とされてしまった。

一度後退すると、背後に敵がいてにやりとこちらを見て笑った。


「くそっ」


横になぎ払われた剣を咄嗟にしゃがんで避け、ついでに足払いをかける。

ひっくり返った敵から笠を剥ぎ取り、後頭部の呪符を無理やりにはがした。