幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「体は無理だ。顔を狙え!目には鱗がねえはずだ!」


って言われても、目だけを狙うなんて、難しいに決まっている。

それでも味方は敵の頭を重点的に狙い、銃を撃ち続ける。


「そんなことをしても無駄だ……」


どこからか、突然男の声が聞こえた。

くぐもったような、低い声だ。


「誰だ!」


副長が叫ぶと、その男は敵の後方から高く跳躍し、姿を現す。

その髪は銀色で紫の瞳を持ち、黒い忍装束を着ていた。


口元を覆っているために他の顔の作りはわからないけど、その髪と瞳の色で判断材料はじゅうぶん。


「岡崎の忍か!」


総司と平助くんも駆け寄ってくる。

少し離れたところに着地した忍は、死んだ陽炎に似ていた。

きっと彼の血縁の、岡崎一族純血の忍だろう。


「こいつらは俺たち一族が強化した。昼でも動けるし、数もまだまだいる」


撃たれてもなかなか倒れない敵は、もう味方の目前まで迫っていた。


「忍がもののけを強化しただと?」


副長が刀の柄に手をかける。

同じように、総司と平助くんも臨戦態勢に入った。