ごくんと息をのんだのは、美海だった。
「圭ちゃんって前から好きだって言ってた人だっけ。」
「そう。大学生の。」
玲菜の言葉を疑っていたわけではもちろんなかったが、こうして二人の会話を聞いていると本当に玲菜が前から圭介のことを好きだったのだということを思い知らされる。
「で、もしかして美海ちゃんをこの間待っててくれた彼がその人なのかしら?」
「え、なにそれ!圭ちゃんうちの本屋に来たの?」
「あれ、違う人?」
「店長!」
「ちょっとあんたやっぱり抜け駆け…!」
「誤解ですー!」
「お待たせいたしました。こちらメイプルソースパンケーキでございます。」
絶妙なタイミングでそれぞれの料理が運ばれてきた。それでも玲菜の注目は目の前の料理よりも美海の方に向いている。
「いただきます。」
「いただきます…。」
「…いただき、ます。で、そのあんたのことを迎えに来たのっていつの話?」
ついにはあんた呼ばわりである。それは構わないが、美海は、玲菜の目がきつすぎてできることならもう料金だけ置いて逃げ出したい気持ちで一杯になっていた。
「…結構前…です…あの、それも抜け駆けとかではなく…前にもお話しした通り、私は浅井さんに恋愛感情は…。」
「それも絶対嘘だし!あの時信じたあたしが馬鹿だった!」
「え…そ、そんな!嘘じゃないです。」
「そうよー美海ちゃん、嘘つくような子じゃないもの。」
「じゃあ鈍感なだけ。」
「え…。」
「あー…それはあるかもね。美海ちゃん、色々な面で疎そうではあるかな。」
「疎い…ですか?」
「ま、とりあえず確認させてよ。美海ちゃんの言う『浅井さん』と玲菜ちゃんの言う『圭ちゃん』は同一人物で、この前美海ちゃんの帰りを待っていた人、で合ってる?」
美海も玲菜も頷いた。できることならば、『美海ちゃんの帰りを待っていた』を言わないでもらいたかったがそうも言っていられる状況ではなかった。
「圭ちゃんって前から好きだって言ってた人だっけ。」
「そう。大学生の。」
玲菜の言葉を疑っていたわけではもちろんなかったが、こうして二人の会話を聞いていると本当に玲菜が前から圭介のことを好きだったのだということを思い知らされる。
「で、もしかして美海ちゃんをこの間待っててくれた彼がその人なのかしら?」
「え、なにそれ!圭ちゃんうちの本屋に来たの?」
「あれ、違う人?」
「店長!」
「ちょっとあんたやっぱり抜け駆け…!」
「誤解ですー!」
「お待たせいたしました。こちらメイプルソースパンケーキでございます。」
絶妙なタイミングでそれぞれの料理が運ばれてきた。それでも玲菜の注目は目の前の料理よりも美海の方に向いている。
「いただきます。」
「いただきます…。」
「…いただき、ます。で、そのあんたのことを迎えに来たのっていつの話?」
ついにはあんた呼ばわりである。それは構わないが、美海は、玲菜の目がきつすぎてできることならもう料金だけ置いて逃げ出したい気持ちで一杯になっていた。
「…結構前…です…あの、それも抜け駆けとかではなく…前にもお話しした通り、私は浅井さんに恋愛感情は…。」
「それも絶対嘘だし!あの時信じたあたしが馬鹿だった!」
「え…そ、そんな!嘘じゃないです。」
「そうよー美海ちゃん、嘘つくような子じゃないもの。」
「じゃあ鈍感なだけ。」
「え…。」
「あー…それはあるかもね。美海ちゃん、色々な面で疎そうではあるかな。」
「疎い…ですか?」
「ま、とりあえず確認させてよ。美海ちゃんの言う『浅井さん』と玲菜ちゃんの言う『圭ちゃん』は同一人物で、この前美海ちゃんの帰りを待っていた人、で合ってる?」
美海も玲菜も頷いた。できることならば、『美海ちゃんの帰りを待っていた』を言わないでもらいたかったがそうも言っていられる状況ではなかった。



