なんて伝えたらきっと皇汰は困った顔をするから、言わない。 「――お前、居なくなるなよ」 「何で?」 「今、お前が居なくなるの、キツい」 「じゃあ頑張って探すんだな。私、寄り道ばっかするから」 「――何それ」 力なく笑う皇汰を蹴り倒したくなる。 馬鹿野郎って怒鳴り散らしたくなる。 岸六田先生への恋が辛い皇汰は、 私との時間で紛らそうとしていて。 それが私には酷く辛い。 お互い、辛い恋を追いかけてる。 屋上から見る寂しくて静かな夜の空みたいな、 どんどん夜に溶けていくような、恋。