『今日から入居していいそうです』


一通のメールがお婆ちゃんから届いた。

お婆ちゃんの茶道のお稽古友達だったのが本当に運が良かった。


運命は私に追い風で応援してくれている。






ついに!


ついに!


侵入に成功だ!!


購買でパンの戦いに勝利し、渡り廊下を走り抜け、

1年A組の教室へ戻ると、親友の光(ひかり)の元へ駆け寄る。


「よっしゃあ! 光! 私、ついに念願の独り暮らしだよ!」



「ああ、楠木皇汰の真下の部屋だっけ?」


光は170㎝のモデルのようなスタイルのくせに女の子らしく可愛い熊のお弁当箱から卵焼きを取りだし、口に放り込む。



「声が大きいって! でもそうなの。ヤバいよ。ヤバい。管理人が今居ないから101号室が空いてて、家具はそのまま使っていいって」



「へー。私なら自分の好きな家具揃えたいけど」