「あー! ズルい! そんな卑怯な手でたこ焼パン食べて美味しいか!」

「まだ食べてないけど美味しい」

ふふんと余裕な笑みを浮かべる皇汰がムカつく。

私もまだ誰も居ない貸しきり状態のパン屋で、たこ焼パンと板チョコを挟んだクロワッサン、粒餡パンを買った。


「うわ。旨い」

「……もう食べてるし」

五個ぐらい買ったのか白いビニール袋の中には人気があるやつばかり入っている。

てか髪、太陽に当たるとちょっと茶色になってる。

……ズルい奴だ。



「岸六田先生、可愛かったよ。腹が立つほど実ったお胸ですけど」

チクチク攻撃したが皇汰には効かなかった。


「Fあるらしいよ」

Bの私ら二人が合体しても勝てないじゃんか。


「ちょっと皇汰を探してたよ」


渡り廊下に差し掛かり、屋上を見上げた。


今日はキラキラ反射していない。


居ないのかな。


「探すぐらい別に。俺は何年も片想いしてたんだから」