皇汰は、甘い優等生の皮を被ったオオカミだと思った。



『おはよー。102号室にいるよ』

ハートのスタンプつきのLINEを朝から貰ってしまい、仕方なく隣に行く。

……今日は際どいビキニパンツはどこにもない。


3回ノックすると、中から『開いてるよ』とトールさんの声がしたので、恐る恐る中へと入る。


「おはよう。結愛ちゃん。今日も可愛いね」


サラサラの黒髪を束ねて後ろで纏めているトールさんが、ゴム手袋の両手まで黒に染めていた。


「今日もイケメンですねって、うわ……」


皇汰の金髪が真っ黒になってる。

元がちょっと茶色っぽかったから違和感がある。


「ブルーブラックに染めたんだけどどう?」

「ちょっと幼く見える」