「変な奴等が多いから、困ったら俺に言って」

アパート前につくと、自転車を止めて荷物も持ってくれた。


「うん。ありがとう」


にっこり笑ってそう伝えると、皇汰も嬉しそうに目を細めた。

そんな控えめな笑顔も好き。



「あ、パンツは?」


防犯に欲しいなってお願いすると、皇汰は頭を掻いた。


「パンツ干して防犯しなくても危なくないように、俺がそばに居るってのは駄目?」


「なにそれ、プロポーズ?」

一瞬告られたのかと勘違いしてしまいそうになった。
すぐに気づいておちゃらけてみたけど。



「ばーか。何かあれば飛んでいくって意味だよ」

えいっとデコピンされた後、髪をくしゃくしゃにされた。


それでも皇汰のちょっと幼い笑顔を見たら、不満なんてぶっ飛んだ。

きっと皇汰なら何かあれば本当に飛んできてくれる。

そんな真っ直ぐな笑顔だった。