「上からくっそ押し付けたのは事実だ。葉瀬川さんを跡取りにとか騒いだのとうちの親が突き落とされそうになった時期が被ったからな。押さえつけて押さえつけて、――分家だから跡取りになれない、なれるとか関係なく、ただの親戚関係に戻したかっただけ」
この人も、不器用な人なんだろうか。
一人で、背負おうとしているようにも見える。
「岳理くーん」
庭園の砂利道を走りながら、こちらに向かってくる人がいた。
「今の話は、あいつや花忘荘の奴等には内緒な。面倒な奴らだから」
岳理さんはまだ半分残っている煙草を灰皿に押し付けると、走ってきた男の人に手を振る。
「千景さんかみかどちゃん見ませんでしたか?」
「みかどなら駐車場で子どもを見送る係」
「……そうですか。忙しくてなかなか会えませんね」
しょんぼりと項垂れた後、私と葵の方を見た。



