月光の下






けど一宮さんは、表情を厳しく歪めた。




「何で……いつもいつも、笑うわけ?」


「え……?私、笑ってます……?」


「あぁ。よく笑ってる……。つーか、俺なんかにヘラヘラ笑うなよ」




意識してるつもりはない。
ただ彼といると、自然と笑顔になれる。



気がついたら、笑ってるの。





「笑いたいから、笑ってるんです。私、普段は全然笑いません。むしろ、笑い方を忘れてたと思います」



普段は愛想笑いもできないような、無愛想な女だもん。






「……そんな笑顔見せられたら、嫌でも頭から離れなくなるだろ」



一宮さんは困った表情をして、頭を抱えた。