「これ……どうぞ」
持っていた紙袋を差し出した。
「何?これ」
「開けてみてください」
彼は紙袋から木の箱を取り出し、箱を開けて一瞬驚いた顔をした。
「これ……俺にくれんの?」
「はい……。うちにあった物で……」
「……」
「包丁って商売道具ですよね?よかったら、使ってください……」
一宮さんは早速その包丁を手に取った。
その姿に、ゴクリと息を呑んだ。
「こんなプレゼントもらったの、初めて……。つーか、やっぱお前は変わってる。こんなもんを平気な顔して人にあげるなんて」
うん、変わってる。
変を通り越して、異常だと思う。
「きっと私……頭が、おかしいんだと思います……」
私はそう言って、笑った。

