先生は、部屋に入った。
「この声の人が、父さん、母さん、なのかな?」
『わからない…。』
「今日は、どうしたのかね?」
「すこし、お話をしに来ました」
ガタッ
たぶん。先生が椅子に座った音。
「蘭と、海斗のことです」
「…娘達の…こと?」
娘達。やっぱり、
「父さんと、母さんだね。」
『うん。情報が出てこなかったのは、多分。組だから。』
私でもできなかった。
私の腕は、パパに教えてもらったもの。
喧嘩と一緒に、教えてもらった。
「そうです。」
「蘭は、いないんでしょ?それに、海斗は、私達を憎んでる。」
憎んでる?なんで?
「…俺を…、預けたことにだ…。でも、俺は、一切憎んでなんかいない。」