だから、花園 蘭は、いない。

もう、いない。




私は海斗を見た。


『っ!!』



今にも泣きそうな顔。

いつものニコニコした顔じゃない。


言うべき…?でも、死んだ人は、生き返れない…。


私は、どうすればいいの…?




ーー〔文化祭があの3分で始まるよ~!
準備してね~!!〕



『あ…。』

「…答えは二日目の文化祭が終わった後。
またな」

『…うん』



海斗は静かに空き室から出ていった。




『…ねぇ、どうすればいいの?先生は、生き返れないって、いってた。でも、お兄ちゃんは…、まだ、私が、…蘭が生きていると思ってる。

言うべき?言わないべき?

教えて、先生…。会いたいよ…。』



私はそうはいて。溢れそうな涙をグッとこらえて、教室に戻った。