挨拶をしてくる雅兎。でも、私はそれも聞こえないくらい驚いてる。

だって、雅兎っていってる人、



『…幸兎…?』

「は?なんで???」



目の前には、幸兎。海霸の総長。


…こいつと、ドラマ…。

拒否したい。

でも、もうOKしちゃったし。

いま、拒否したらマネージャーが…


しょうがない。頑張るか。



〈星羅ちゃーん?〉

『え?あ。すいません。
星羅といいます。よろしくお願いします』



マネージャーの声で我にかえり、私も名前をいって、一礼した。



〈それじゃ!これ、台本よ!〉




マネージャーが机から二冊の台本を渡してきた。


『甘い恋…。』



なにこの題名…。甘い恋?



〈すこし、キスシーンが多いけど、大丈夫よね?〉


『えっ?!きっキスシーン?!!!』


〈あたりまえよ?恋愛物なんだから♪〉



そのとき、マネージャーの笑顔が悪魔の笑顔に見えた。


それ、さきいってよ…。


こいつとキスするの?私、ファーストキスもまだなんだよ?