こうして、一緒に家に帰るはずが…。



『…ここ、家じゃないよね?』

「倉庫だよ♪」



腕を引かれてきたところは、どっからどう見ても家じゃなく、海霸の倉庫。

目の前には、すこし古びたおおきな倉庫がドンッと立ちはだかっていた。


不死鳥の倉庫よりは小さいけど。

って、不死鳥は忘れないと


私は、ブンブンっと、頭を左右にふった。




「なにしてるの?はいるよ」

『え?いや。なんで?はいるとあいつらいるじゃんか』




それに、姫だと思われる。


姫は、族が命をかけて守る唯一の女。

総長と同じくらい偉い。


でも、姫を作ると、その族の弱点ともなる。

でも、姫を作ると、強くもなれる。


姫が拉致されれば、必ずそこの族がくる。

それで、その族を潰したりする族もいる。



姫がいれば、姫を守るため、強くなる。


姫は、そういうのなんだ。



「それはそうだけどー、いくよ~♪」

『私は姫になんないからー!!!』



春に引きずられながら私はそう叫んだ。