次の講義で使うプリントを研究室から教室まで運んで、講義開始までに配っておいてとか。
そういう類のことを、今まで何度も。
別に私は、先生の助手じゃないのにさ。
他にも学生は沢山いるのに、なんで私ばっかり……。
私、これまでに先生の癪に障るようなこと、何かしたかなぁ?
うーん、心当たりは特にないんだけどなと色々思い返しながら歩いていると、先生の研究室の部屋の前に到着した。
私はドアの横にあるプレートで先生の名前を確認し、コンコンコンとドアをノックする。
するとしばらくして、中から「はーい」という声が聞こえ、私は「失礼します」と言って、部屋の中へと入った。