もう少しはやく、気づいてあげられてたら、何か変わったのかな?
麻耶の心を黒くすること、防げたのかな?
もしもあのとき、あたしがいじめの首謀者に反抗していたら、中途半端にはならなかったのかな?
もしもあのとき、あたしが麻耶の変化に気づいてあげられてたら……………。
………どうして、今さら気づくんだろう。
今気づいても、きっと何もできないのに。
………いや、できないんじゃないんだ。
“あたし自身がやろうとしてない”んだ。
諦めるんだ。この絶望的な状況の中で。
やろうとしなければ、きっと何も変わらない。
助けようとしなければ、きっと助けられない。
そう、“助けようとしなければ助けられない”んだ。
あたしは本気で麻耶を助けようとしていなかったのかもしれない。
あのとき、泣きじゃくる麻耶にあたしはただ慰めの言葉をかけ続けていたけれど、それは本心から出た言葉だったのか、今になってきて疑わしくなってきてしまう。
「……………ゆ、り……………た、すけ……………て……………」
麻耶の言葉で、あたしは一気に現実に引き戻された。
【助けて】……………?
間違いなく、これは麻耶からのSOS。
あたしを殺そうとしながらも、
帽子に心を揺らされながらも、
まだ、まだ、【理性】を持ってるんだ。
それなら………なにかできるかもしれない。



