バンッ!!
扉の方から急に聞こえてきた大きな音に二人で振り返る。
「ひなたと、八田…」
「千穂ー!!おめでとー!!」
「二人とも、お疲れー」
すると、浅井がはっとしたように八田に歩み寄っていく。
「お前まさか…騙して…」
「あははーごめんごめん」
「ていうか、全部見て…」
「『どしたの?』からキスの場面もそれはもうバッチリ。」
「ってそれ、一番最初じゃん!!」
私も最後の方は、二人のことをすっかり忘れていたから少し恥ずかしい気分だ。
揉めている二人をおいて、私はひなたの方へ駆け寄る。
「おめでとう。」
ひなたは満面の笑みで、告白の成功を祝ってくれている。
「うん。いつも、ありがとね。」
そう言うと、「いつもって?」とよく分からなそうに私の方を見つめる。
「私のこと頼ってくれるのとか
いつも元気なとこはみてて励まされるし。
今回のことも。」
ひなたは一瞬驚いたようにして、
今度は照れたようにえへへと頭をかく。
「千穂がそんなこと言うの珍しいから、
なんかこっちが照れるね!!」
そんなのを見ていると、
自然と頬は緩んでいってしまう。
「勝手に照れてろ。ばーか」
照れ隠しのような、誤魔化しをする。

