『えー、ほら。 自分の好きな人の好きな人を当てるーとか』 いや、当たんない当たんない。 じゃなくて、口から出てきた言葉は、 「好きな人、いないし」 私がそう言うと、桜菜はポカンとした。 え、何その顔……。 『前にあったでしょ!?そのくらい!』 桜菜はけっこう大きな声で言った。 前の話?? 頭の中でぐるぐる考えてみたけど、 あんまり思い出さなくて。 おかしいなぁ、恋愛ぐらいしたことあるんだけど……。