そしたら、有川は早歩きをして、

勢いよく振り返った。



そして笑顔になる。



『よーしっ、これからは本当に勝負だから!


落とされる準備、しといてよ??』



--未だ“勝負”にこだわる俺たちはきっと、

まだ子ども。



それ以上の関係なんて、望んだとしても

まだほんの少しだけ、遠い。



「お前こそ、惚れる準備しとけよ?」



なんとなく、つられて笑うと、

有川も嬉しそうな顔する。