我妻はかごの中の鳥



「…っ」


否定され、戸惑いながらも唾を飲み込む瑠璃。


「はーやく。しゃがむの辛いんだから。食べちゃうよ?」


その言葉に覚悟を決めたのか、そうっと近づいてきた。


夜空のような瞳から目が離せない。


基本ノーメイクだから、色素が薄めのピンクの唇。


ゆっくりと、キャラメルに向かって…否、俺に近づいてくる。


かり、とキャラメルを啣え、真っ赤に染まる耳。


どうにか俺の口から抜こうと、奮闘している。



その頭を後ろから抑え、口と口とをもっとくっつけた。



「っ!?」


完全に計算外らしく、目を大きく見開いた。

キャラメルを彼女の口に入れるかわりに、舌を絡めとる。

猫みたいに薄い舌を絡めるのは容易だ。