彼女と別れて、ふらふらの体で駅まで向かう。 熱が上がってきたのがはからないでもわかる。 まともに息ができない。 コートを着ていても、寒さで震えた。 「は…はぁ…んっ…は…」 直に立つことさえ難しくなった。 電柱に掴まり、嵐のような体調の悪さが過ぎるのを待つ。 ――なんでこうなっちゃったんだろう。 ただ好きなだけだったのに。 歌月が、狂おしいほど。