「その箱は?」 興味津々に近寄ってきた。 「芙美さんからの差し入れだそうでございます」 ポケットから取り出したハンカチで額の汗を拭いながら、滝山が答えた。 「へぇ、随分と新鮮だな」 ダンボールから人参やジャガイモを次々に取り出す。 まだ土も付いたままだ。 畑の香りもしそう。 思わずクンクンと鼻を鳴らす。 「玉葱もあるし、今夜はカレーにでもしようじゃないか」 カレー? それはいいかも!