薫子様、一大事でございます!


――お願い。
了承して。


誠意が伝わるように、高崎さんを真っ直ぐに見つめた。


どこの誰かも分からない相手に、大切な愛猫を任せられるわけがない。

高崎さんは、断る理由にあれこれ考えを巡らせているのかもしれない。


ジリジリと時間だけが過ぎていく。


途方もない時間が流れたように思えた。



「分かりました」


――え?


「それじゃ、」

「モモをお願いします」

「本当にいいんですか?」