ジッと見つめる二つの瞳。 「あ、いえ」 それがあまりにも近くて、つい一歩後退して口元をキュッと引き締める。 ――と同時に。 ぶつかった棚の上から落ちてきた小さな空のダンボール箱が、私の頭にコツンとぶつかって、床に転がった。 「プッ!」 噴き出す北見さん。 ……ひどい。 「カコちゃんって、やっぱりおもしろいな」 北見さんが二度目の笑顔を浮かべた。